介護の採用成功のコツとは?のべ100社が参加した厚労省補助事業の結果。
2021/06/18
「介護は採用が厳しい…」「介護は不人気だから…」と、介護領域における採用活動において後ろ向きな声をこれまでたくさん聞いてきました。確かに、介護領域の採用は決して容易くはないかもしれませんが、介護・福祉事業者の採用に関わらせていただく中で、ちゃんと取り組めば確実に成果があがる企業を何社も見てきました。
そのことを証明したいと考え、令和元年度から2年間、厚生労働省補助事業「介護のしごと魅力発信等事業(ターゲット別魅力情報発信事業(介護事業者向け))」へ応募、採択いただき、介護・福祉事業者の採用をアップデートするプログラム を実施いたしました。その結果についてご報告します。
今年度は7月より第4期を開催。詳しくはこちら
参加法人の採用結果はいかに?1年後の採用状況をインタビューしました!
令和元年度に実施したプログラムの参加法人を対象にインタビュー調査を実施したところ、インタビューにご協力いただいたすべての法人が採用成果が得られる結果となりました。
【インタビュー調査で聞こえた声】
●介護系学部以外の学生にも採用の裾野が広がり、介護系以外の学部の採用にも繋がった。
●昨年度の採用者数は3~4名であったが、今年の春には大卒7名に倍増した。
●人材不足の状況から、前年度と比較して、勤務する職員の総数が10名増加した。
●採用活動が定着にも良い効果をもたらし、課題であった看護師の離職が「0」になった。
● 応募があっても年間1~2名であったが、年間5~6名まで応募者数が増えた。
● 応募数が0名であったが、3名の応募につながり、3名とも採用につながった。
● 応募者数が直前3~4年間対比で400%、採用数が例年の150%~200%に増加した。
●コロナ禍で近隣の採用がない中、今年度は中途採用者5名の実績があった。
応募数や採用数増加だけではなく、採用時に伝える情報を見直すことで離職率低下にも繋がったとのお声を頂いています。
採用活動を成功させるために、取り組んだこととは?
では、実際に成果が出たプログラムで何をやっていったのか、ご紹介したいと思います。
それは…残念ながら、「これをやれば採用につながる!」という特効薬はありません。ご参加いただいた法人の皆さまには、採用の基礎を学び、採用計画を立て、地道に採用活動に取り組んでいただきました。
採用結果が思うようにあがっていない法人の多くは、計画的に採用活動が行えていないケースがほとんどで、限られた採用リソースを上手く使えていないことがあげられます。採用計画を作成することは一見大変そうに感じますが、採用担当者が少なかったり、採用予算が潤沢ない法人にとっては、計画的な採用活動は何より優先して欲しいことだと考えています。
そのため、2年間厚生労働省の補助事業で実施したプログラムでは、とにかく採用計画を立てることを重視しました。その結果、多くの法人が計画的な採用活動を行うことができ、成果へと結びついています。
では、採用成果につながるための採用計画とは、一体どのようなものなのでしょうか?採用計画の作り方についての詳しい紹介はこちらの記事をご覧ください。
本記事では、採用成果につながるために開発した「KAIGO HR Recruiting LABO」のプログラム内容や特徴について、ご紹介したいと思います。
【特徴①】経験学習を意識した、実践力が高まるプログラム
KAIGO HR Recruiting LABO.では、採用にまつわる知識を学ぶだけでなく、プログラム内で得た学びをそれぞれの現場での実践し、実践からの更なる気づきや学びを重視する、経験学習のスタイルを大切にしています。
2ヶ月間全4回の連続型のプログラムで、事前学習動画やプログラム終了後に出る課題もあるので、学びながら自社の採用をアップデートしていくことが可能です。実際に昨年度の参加した法人は、プログラム期間中に採用活動を変更し、期間内に成果があがった法人もあります。また、研修終了1ヶ月後には91.3%の法人が学んだ内容を現場で実践しており、学びを持ち帰り行動に移していることが追跡調査にて明らかになりました。
【特徴②】即時的な採用テクニックを学ぶのではなく、採用市場の変化に対応できるベースをつくる
人手不足で採用競争も激化する採用市場では、生き馬の目を抜く速度で状況が変わり、新たな手法が生まれていきます。だからこそ、今通用するノウハウやテクニックを学ぶだけでは、あまり意味がありません。採用市場の状況変化に柔軟に対応し、状況に合わせて自分で考え行動する実践力を持つことが、これからの時代を生き抜く力になります。
KAIGO HR Recruiting LABO.では、実際に採用計画を立てる際の基礎を学び、ワークショップを通して実践していくことで、参加者の採用実践力を向上し、今後の採用活動に対応できる力を身に付けていきます。
【特徴③】他法人と情報共有・交換から、新たな視点やアイデアが見つかる。
法人の中で1人で採用を担っている…。他法人の上手くいっている採用事例を知りたい…。などの声をよく頂戴します。KAIGO HR Recruiting LABO.では、全国から採用実践力を高めよう!と意欲的な他の法人の採用担当者との意見交換や実践について聞けるため、新たな視点や学びを得られる機会が整っています。
実際に参加法人の皆さまからは、「他法人との交流もでき、勉強になりました。」「グループワークで他法人の取り組みやご意見を得られ、知りたかったことを知ることが出来た。」「他の地域の法人さんとコミュニケーションが取れてよかった。SNSに取り組んで効果が出たという話を聞いて、やってみようと思った。」といったお声も頂いています。
また介護・福祉業界の採用・人事の経験や知識豊富な講師が、プログラムを進めるにあたって出てきた課題や、実践する中での悩みについてアドバイスさせて頂いたり、一緒に考えながら、よりよい採用活動を行えるようにサポートしていきます。
働く仲間が「ずっと働き続けたい」と、求職者が「ここで働きたい」と思えるような
よい介護・福祉事業者がどんどん増えていくように。
KAIGO HRでは、今後もKAIGO HR Recruiting LABO.で多くの事業者様のよりよい採用活動のお手伝いをしていきたいと考えています!
【5期参加者募集中!】KAIGO HR Recruiting LABO.採用実践力向上プログラム
計画的な採用活動を学ぶ、採用計画づくりGUIDE BOOKの制作
KAIGO HRでは、より多くの介護・福祉事業所に採用計画の重要性やポイントをお届けしたいとKAIGO HR Recruiting LABO.をもとに「介護・福祉事業所のための採用計画づくりGUIDE BOOK」を制作し、2万部限定で無料配布を行いました。
本冊子では、計画的な採用活動の実施に向けて以下4つのステップにまとめ、初めて採用に携わる方へもわかりやすく解説をしております。
STEP1:採用計画の土台をつくろう
STEP2:採用ターゲットの明確化
STEP3:ターゲットに合わせたPR
STEP4:ミスマッチを防ぐ採用コミュニケーション
採用計画づくりGUIDE BOOKの詳細はこちら
【この記事を書いた人】
瀬良 唯 株式会社Blanket 採用コンサルタント
1994年、三重県出身。卒業後は国内大手の語学スクールにて首都圏中心に接客・店舗運営を経験。約1000人の生徒の語学力向上にむけた支援等を通し、支援の楽しさそして支援の方法が語学力向上にも大きく繋がることを学ぶ。介護業界へは学生時代の介護ボランティア活動での経験で、働く環境に課題意識を持ったことから、介護業界がより働きやすい環境となるような支援をしたいと2019年9月にBlanketに入社。現在は採用コンサルタントとして、情報発信や法人の採用支援を行う。