【介護の転職事情Vol.2】転職経験者の声から考える「求人媒体の有効活用法」

2024/08/27

株式会社Blanket(本社:東京都文京区本郷3-40-10 代表取締役:秋本 可愛)が運営する、介護・福祉業界の”よいチームづくり”のためのプラットフォーム「KAIGO HR FARM」は、73人の介護職に転職したきっかけや転職活動の実態、入職後の感想についてアンケート調査を実施しました。

今回は、転職活動中の情報収集や、求職者が知りたい情報についての声から、求職者に伝わりにくい項目や効果的な打ち出し方について考察します。

▶︎【介護の転職事情Vol.1】転職経験者の声で分かった「離職防止のポイント」。鍵となるのは“2段階制”

調査サマリ

・転職活動の情報収集で活用したもの・現職を知ったきっかけの1位「ハローワークなどの公的機関」
・転職活動中に知りたいと思っていた情報、重点的に調べていた情報1位「雇用条件」、2位「職場環境・労働環境」、3位「法人理念・運営方針」

調査背景

「KAIGO HR FARM」は、主に採用、人材育成、職員定着、働きやすい職場づくりをテーマに業界内外の好事例や求職者・介護職員のリアルな声をお届けし、介護・福祉業界の人事・経営者の皆さんが現場で活かせる知識やノウハウをお伝えします。

今回は、業界の課題である採用・職員定着の改善策を見出すべく、転職経験者に転職したきっかけや転職活動中の情報収集、選考中の実態についてアンケート調査を実施しました。

ハローワークや求人サイトに次いで影響力があるのは「友人・知人からの紹介」

はじめに、転職活動の情報収集で活用したものを聞いたところ、1位「ハローワークなどの公的機関」26.7%、2位「求人サイト(介護・福祉業界専門のサイト)」25.2%、3位「友人・知人の紹介」15.3%でした。

求職者にとってハローワークや求人サイトは欠かせない情報源のため、採用活動ではしっかりと有効活用したいツールです。しかし、すでに活用しているものの応募数につながっていない場合は、ハローワークの求人票や求人サイトの情報だけでは、求職者に施設の魅力が伝わっていないのかもしれません。ハローワークや求人サイトで知ってもらった後に、求職者にさらに関心をもってもらえるような情報発信も合わせて行うなど、求職者へのアプローチを再考してみるのも良いでしょう。

ハローワークや求人サイトに次いで求職者に影響力があるのが「友人・知人の紹介(15.3%)」です。思わず職員が周りに自慢したくなるような施設づくりができているのかどうかを確認してみると良いでしょう。また、紹介制度など職員に働きかけてもらえるよう仕組みを設けるのも良いかもしれません。

次に、現職の職場を知ったきっかけについて聞いてみると、1位「ハローワークなどの公的機関」27.6%、2位「求人サイト(介護・福祉業界専門のサイト)」21.8%、3位「友人・知人の紹介」19.5%という結果になりました。前述の質問と同様の結果ですが、友人・知人の紹介の割合が高くなっており、口コミで知ってもらうことがいかに重要であるのかがわかります。

転職活動中に知りたい・知りたかったが知ることが難しかったのは「職場環境・労働環境」

転職活動中に知りたいと思っていた情報、重点的に調べていた情報について聞いてみると、1位「雇用条件」19%、2位「職場環境・労働環境」17.7%、3位「法人理念・運営方針」12.1%でした。雇用条件は欠かせない情報ですが、働く環境を知ることも求職者が重視していることが分かります。

働く環境はハローワークや求人サイトでの文字情報だけでは伝わりにくい部分があるため、写真や画像を盛り込むと効果的です。法人HPやブログ、SNSで文字情報と共に掲載すれば施設のリアルな姿を届けられ、求職者がイメージをもちやすくなります。伝えたい情報の種類や媒体の特性に応じて見せ方を工夫してみると良いでしょう。

転職活動中に知りたかったが知ることが難しかった情報について聞いたところ、以下のコメントが寄せられました。

働く職員や職場の雰囲気についてのコメントが多く寄せられました。他にも理念の浸透や業務内容、通勤手段などが挙げられています。

全ての情報を伝えることは難しいところですが、文字情報で伝えられる項目は抜け漏れがないか確認し、職員の人となりや職場の雰囲気、日頃の業務内容の詳細や流れは動画コンテンツや職員のインタビュー記事などで発信するとわかりやすくなるかもしれません。

まとめ

今回は、転職活動中の情報収集の実態や求職者が知りたい情報から、求職者に効果的な打ち出し方について考察しました。

求職者に欠かせない情報源、現職を知ったきっかけで多かったのはハローワークや求人サイトですが、友人・知人の声も影響力があることが分かりました。職員が周りに紹介したくなる環境を整備するだけでなく、紹介制度などを設けるのも有効であると考えられます。 

転職活動中に知りたい情報の1位は雇用条件ですが、僅差で職場環境・労働環境が2位となりました。働く環境は文字情報だけでは伝わりにくいため、法人HPやブログ、SNSで写真や動画などを多く盛り込むと求職者がイメージをもちやすくなるでしょう。とはいえ、情報の種類や媒体の特性によって文字情報のみか、写真や動画との掲載が適しているのかが変わるため、見せ方の工夫が必要ではないでしょうか。

《調査概要》
・調査期間 :2022年6月10日 – 7月4日
・調査機関(調査主体):KAIGO LEADERS LAB.
・調査対象:転職経験のある全国の介護・福祉従事者
・有効回答数(サンプル数):73
・調査方法(集計方法、算出方法):インターネットリサーチ(無記名式)