介護の人事辞典その4「採用コンセプト」
2024/11/01
KAIGO HR FARMのInstagramでご紹介している介護・福祉事業所の人事担当者に知ってもらいたい用語をご紹介する「介護の人事辞典」で取り上げた語句について、詳しく解説します!
第四回は、「採用コンセプト」です。
介護福祉事業者にとって、優秀な人材を採用することは持続的な成長と質の高いサービスの提供に不可欠です。しかし、多くの事業所が似たような条件や仕事の内容を掲げる中、いかにして自社の魅力を伝えるかが課題となります。その鍵となるのが「採用コンセプト」の設定です。
採用コンセプトとは?
「採用コンセプト」とは、採用活動全体の軸となる事業所の価値観や理念、求める人物像を言語化することです。「私たちはこういう事業所です」「こんな人と一緒に働きたい」といったメッセージを整理し、一貫した方針として伝えるプロセスを指します。
採用コンセプトがもたらす3つのメリット
1. 一貫した情報発信で求職者の理解を深める
採用活動は、ホームページやSNS、採用説明会、面接など、複数のタッチポイントを通じて行われます。採用コンセプトが明確であれば、どのチャネルでも一貫性を持った情報発信ができ、求職者は事業所の価値観を理解しやすくなります。逆に、各チャネルで発信する内容がバラバラだと「どんな職場なのか」が伝わらず、求職者の興味を失いかねません。
2. 入職後のギャップを減らし、離職を防ぐ
採用活動で伝えたメッセージと、実際の職場環境が大きく異なると、入職者は「こんなはずじゃなかった」というギャップを感じ、早期離職のリスクが高まります。採用コンセプトが明確であれば、入職後の受け入れ体制もぶれず、現場と採用担当者が一体となった受け入れが可能になります。結果として、職員の定着率向上が期待できます。
3. 他社との差別化による魅力の発信
介護業界では、多くの事業所が同じような業務内容を提供しているため、求人情報も似通いがちです。そのため、求職者は「どこが自分に合う職場なのか」を判断しにくく、給与や通勤距離などの条件面で比較されることが多くなります。しかし、採用コンセプトがあることで、自社独自の魅力や価値観を求職者に訴求でき、共感を得た求職者を惹きつけることができます。
採用コンセプトを考えるポイント
採用コンセプトを定める際は、次のような問いを自問してみましょう。
- 私たちの事業所は何を大切にしているか?
- 求める人材像とは?
- 求職者にどんな価値観を届けたいか?
これらを明確にすることで、採用活動の全体像が見えてきます。コンセプト設定は、単に「スローガン」を作ることが目的ではありません。採用活動の軸を定め、自社の価値を効果的に伝えるためのガイドラインとなるのです。
まとめ
介護福祉業界における人材採用の成功は、ただ条件の良さをアピールするだけでは難しくなっています。求職者にとって「この事業所で働きたい」と思わせるためには、自社の理念や価値観を一貫して伝えることが不可欠です。採用コンセプトの設定により、情報発信の統一、社内の協力体制の確立、そして他社との差別化が可能になります。
これから採用活動を進めるにあたっては、ぜひ**「私たちは何を大切にしているのか」**を再確認し、採用コンセプトを策定してみてください。それが、求職者との共感を生み、入職後のミスマッチを防ぐ第一歩となるでしょう。
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