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採用活動は最上の学びの場? 「全社一丸採用活動」のススメ(WEB版2025年を生き残る採用セミナー⑥)

2019/01/08

「地域」の担い手を育成する、日本初の本格的な介護経営情報誌「地域介護経営」(発行:株式会社日本医療企画)にて、Join for Kaigo取締役 野沢 悠介が「2025年を生き残る採用セミナー」を連載中です。

介護事業所の採用活動において、大切にすべき視点や、実践例を全12回にわたって紹介させて頂いています。
本サイトでも、WEB版として加筆・修正の上、連載内容をご紹介しますので、ぜひご覧ください。

□採用活動は誰の仕事?

「採用活動は誰の仕事ですか?」

こんな問いかけをされた場合、皆さんはどのようにお答えになるでしょうか? もちろん人事部門・管理者など主担当は定められていると思いますが、採用に強い組織は、おそらくこのように答えると思います。「採用活動は、組織全員の役割です」と。

今回は、組織全体での採用活動の重要性について考えます。

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□なぜ組織全員を巻き込むことが必要なのか

組織全員が採用に携わる体制や意識をつくることは、採用成功の成否を大きく左右します。

現場の協力なしに、仕事・組織の魅力を伝えることが困難であることが、その大きな理由です。たとえば、「私たちの職場は、明るく働きやすい環境です」と求人情報で謳っている事業者を見学したら、職員は挨拶も笑顔もなく、暗い雰囲気が漂っていた……。こんな話もよく耳にします。

採用の場面で、どれだけ組織・仕事の魅力を伝えたとしても、それが実践されていないと求職者が感じてしまえば、不信感へとつながります。人事と現場がしっかりと連携を取り、共通のメッセージを伝えることは、とても大切です。

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□採用活動が組織変革のきっかけにもなる

もう一つ、採用活動にほかの職員を巻き込むことの価値として、「採用活動が人材育成の場にもなる」という点があります。

実際に求職者に仕事の魅力を伝えたり、「どのような人材を採用したいか?」ということを話し合ったり、「どうすれば見学者に魅力が伝わるか?」ということを工夫してみたり……。
採用活動への参画は自身の仕事を振り返って棚卸しをする機会になるほか、現在の組織やケアのあり方を考える絶好の機会になります。

もちろん通常業務があるなかで、多くの参加は難しい部分はあり、単に役割を振るだけでは、「やらされ感」が出てしまいます。人材育成に力を入れている事業所は、職員に人材確保の重要性をしっかりと説明したうえで、職員を採用活動に巻き込むことができているところが多くあります。採用活動に職員が参画することで、現場とのミスマッチを防ぐこともできますし、入職後のサポートについても関心を持つことにもつながります。

「自分達が働く組織は、自分達でつくる」という視点を職員一人ひとりが持つこと。このことは、採用成功に留まらず、どのように人を育てていくか、どのような組織をつくっていくかという、組織にとって非常に重要なテーマに主体的になる職員を増やしていくことになります。意識醸成には、一定の時間は必要となりますが、採用活動を組織変革のきっかけの一つとして捉え、仕掛けてみることも面白いかもしれません。

※本記事は、「地域介護経営 2018年6月号(2018年5月20日発行 No.180)」にて掲載されたものです。(一部加筆をしています。)

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【バックナンバー】

Vol.1 厳しい時代だからこそ、「採用力」を鍛えよう!

Vol.2 採用活動成功の第一歩。「人材要件の定義」を考える。

Vol.3 採用のツボ-募集編-「何となく募集」をやめよう

Vol.4 採用活動に必要なコミュニケーションのポイントは?

Vol.5 「入社する1社」に選ばれるポイントは?

【この記事を書いた人】

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野沢 悠介 株式会社Join for Kaigo(現:Blanket)取締役

立教大学コミュニティ福祉学部卒業。
大手介護事業会社にて新卒採用担当・産学共同プログラム担当・採用部門責任者等を担当し、年間400~500名規模の介護職新卒採用スキームを構築。
2017年 株式会社Join for Kaigo(現:Blanket)取締役就任し、介護領域全体の人材確保・定着力の向上を目指す。主な実践領域は、コミュニケーション・キャリアデザイン・リーダーシップ・チームビルディング・目標設定等。