学生から選ばれる採用戦略と成功事例を解説!|介護・福祉の新卒採用Vol.2

2025/03/04

第1回は新卒採用の基本から現状、新卒採用が組織や経営に与える影響、メリット・デメリットについてお話しました。第2回は、新卒採用の採用戦略について、学生が企業や法人を選ぶポイントや成功事例を交えてご紹介いたします。

【 介護・福祉業界のゼロから始める新卒採用 】

vol.1 新卒採用をするメリット・デメリット

学生が企業を選ぶポイント

新卒採用市場において、「介護業界は採用が難しい」とよく言われます。しかし、その理由として挙げられる「知名度が低い」「給与が高くない」「法人規模が小さい」などは、本当に学生が企業を選ぶ決め手になっているのでしょうか? 実は、学生目線から考えてみると、そうでもないことが分かります。

リクルートの「就職プロセス調査(2025年卒)」によると、学生が就職先を確定する際に最も決め手にとなった項目は「希望する地域で働ける」「福利厚生(住宅手当等)や手当が充実している」という順の結果となりました。また、「会社や業界の安定性がある」、「会社・団体で働く人が自分に合っているか」も学生にとって大切なポイントです。

組織やそこで働く人が何を大切に働いているのか、いわば会社・社員の価値観を重要視して選んでいることが分かります。

私が新卒採用を行っていた際、学生が入社を決めた理由は、「お客様の一人ひとりの時間を大切にしている仕事だから」や「○○さんがとってもいい人で、この会社なら頑張れそう」など、「この法人だから入社したい」といった理由が多く、自身に合っているかどうかで選んでいるようでした。理念や働く人の想いに共感することができれば、「介護・福祉業界だから選ばない」「有名じゃないから選ばない」など単純な基準では選ばないでしょう。

このようなことから、新卒採用では「自社にどのような強みがあるのか?」「どんな人を採用したいのか?」「その人に何を伝えたら応募や採用に繋がるのか?」といったことを明確にし、採用戦略をしっかりと設計することが重要です。

採用戦略とは

では、採用戦略とは具体的に何を指すのでしょうか?

採用戦略とは、事業計画に基づき、自社が求める人材を安定的に獲得するための計画を立てることです。言い換えれば、「事業に必要な人材を明確化し、その人物に対してどのようなメッセージや、採用手法を用いれば採用ができるのかを具体的に考えること」です。新卒採用活動において最も重要な部分になります。では、どのように採用戦略を策定していけば良いのでしょうか。見ていきましょう。

採用戦略を策定するステップ

① 会社の理解と把握

自社が目指す方向性や社会における役割、強み・弱みを明確にし、共通認識を持ちましょう。共有認識を持つのは採用担当者だけでなく、経営層や現場職員など幅広い階層の社員を巻き込んでください。そうすることで、採用に関する組織内の意思統一ができ、活動を進めやすくなります。

② 求める人材の明確化(ペルソナ設計)

① での検討事項を基に、具体的な採用計画を立てるために、「採用したい人物像(ペルソナ)」を設定します。どのような人材が必要なのかを細かくイメージします。性格・行動パターン・価値観・仕事への期待などを詳細に定めましょう。そうすることで、その人材を採用するためにどのようなアクションが必要か具体的にイメージでき、ターゲットに適した採用戦略を立てやすくなります。

③ 競合他社の分析

新卒採用では、明確に志望業界が定まっていなかったり、一度に何社も並行して受験することが一般的なため、競合は同業他社に限らず多種多様になります。「ペルソナが選びそうな業種・業界・会社がどんなところなのか」「そこと競合になった際に訴求できる自社の強みは何か」「弱みは何か」を把握し、何をPRすれば学生が応募してくれるのかを整理していきましょう。

④ 採用計画の策定

採用目標人数や利用する採用媒体、説明会や面接の回数、内定者フォローの方法など、具体的なアクションプランを決定します。重要なのは、ペルソナにとって魅力的な採用プロセスを設計することです。ペルソナがここの会社の話を聞きたい、受けたい、入社したいと思うのか?の視点を忘れないでください。

⑤ 採用計画の振り返り

定期的に採用戦略の進捗を振り返り、課題を明確にして改善していくことが重要です。介護・福祉業界では、日々の業務や利用者の対応に追われて採用計画を振りかえる時間がないという事態がよく起こります。“〇曜日の〇時~”というように、定例会をつくるのも1つの手です。

このように、採用戦略を策定することで、今までボヤッとしていた採用の枠組みが明確になります。どんな人物に何を伝え、どのように訴求すればよいのかが分かれば、より一層ターゲットに響く採用活動ができるようになります。

採用設計の振り返りチェックポイント

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介護・福祉の業界では、「どんな人を採用したいか」という問いに対して「誰でも良いから来てほしい」「元気で挨拶ができれば誰でもいいです」という回答がよく返ってきます。

そのような法人では、ターゲットが定まらずに闇雲に求人をしてしまうため、結果的に学生に魅力が伝わらず、採用につながらないケースが多くあります。

学生が就職する会社に求めているものは、「自身と法人や働く人の価値観が合っているかどうか」。さらに、ニーズが多種多様化している現状があります。だからこそ、「自社の強みは何か?弱みは何か?」「競合と比較してどうか?」「どんな人を採用したいか?」などを明確にして、戦略を具体的に立てて実行することが必要なのです。

「誰でもいいから採用する」「それっぽい文言でなんとなく採用媒体に出す」という“誰でもいい採用・なんとなくな採用”から脱却しましょう。

新卒採用事例の紹介

新卒採用では、単に「人材が欲しい」と考えるのではなく、ターゲットを明確にし、その人材に響くメッセージを発信することが成功の鍵を握ります。その好事例として、「公益財団法人鉄道弘済会(弘済学園)」の採用戦略を紹介します。

こちらの事例は、弘済学園の想いに共感して「働きたい!」と思って応募する学生を想定し、作られています。障がい児の生活及び日中活動の療育支援を「未来をつむぐ仕事」と表現し、このコンセプトの基で採用サイトを制作しました。弘済学園の想いや仕事内容、子どもたちへの支援内容とそれによってどう成長しているのかなどの事例を掲載し、この仕事が子どもたちの未来へつながっていることを感じてもらえるよう工夫しています。

このように、自社の強み・弱みを明確にし、「どのような学生に向けて、どのようなメッセージを発信するか」を戦略的に考えることで、新卒採用の成果を高めることができます。

まとめ

介護・福祉業界における新卒採用は、「誰でもいいから採用する」「とりあえず求人を出す」といった漠然とした採用活動では成功しません。

学生が企業を選ぶポイントを理解し、採用戦略をしっかりと設計することで、理想の人材を獲得できる可能性が高まります。自社の強み・求める人物像を踏まえた採用計画を立て、効果的な採用活動を実践していきましょう。

「誰でも・なんとなく採用」から脱却し、戦略的な新卒採用を目指しましょう!

株式会社Blanketでは、介護・福祉事業者様の採用・育成・定着支援を行っております。支援メニューはダウンロード資料にてご覧いただけます。
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【この記事を書いた人】

松川 由佳 株式会社Blanket 採用コンサルタント

介護の人材不足の現状を目の当たりにし介護事業会社に入社。全国の新卒(大卒・専門卒・高卒合わせて)年間約100名超の採用活動に従事。採用設計からイベント・入社関係、新卒の採用全般を担当。沢山の人に介護の魅力や、素晴らしさを届け、業界全体が素敵な法人で溢れるように組織・人材開発のお手伝いをしたいと思い株式会社Blanketに入社。入社後は法人の採用支援、法人・行政の介護・福祉のお仕事PRを中心に担当。