介護の人事辞典その5「採用PR・採用広報」
2024/11/11
KAIGO HR FARMのInstagramでご紹介している介護・福祉事業所の人事担当者に知ってもらいたい用語をご紹介する「介護の人事辞典」で取り上げた語句について、詳しく解説します!
第四回は、「採用PRと採用広報」です。
採用難が続く介護福祉業界では、求人票を出すだけでは十分な人材確保が難しくなっています。そこで、事業所の魅力を伝え、求職者に「働きたい」と思ってもらうための採用PR・広報が重要な役割を果たします。
採用PR・広報とは?
採用PR・広報とは、求職者に事業所の魅力を伝え、働くイメージを具体的に持ってもらうための積極的な情報発信活動です。ハローワークなどの求人票では、仕事内容や条件は伝えられますが、事業所の雰囲気や現場の実態までは伝えきれません。そのため、SNSやホームページを活用し、自社の「らしさ」や職場の様子を直接発信することが必要になります。
採用PR・広報活動の目的
PR活動で目指すべきゴールは、単に「多くの人に見てもらうこと」ではありません。重要なのは、自社に共感し、実際に働きたいと思う求職者に情報が届くことです。
- ページビューやインプレッション(表示回数)や「いいね」の数だけにこだわらない
- 自社が採用したい求職者に対し、興味を持ってもらうことを最優先にする
例えば、SNSでの投稿やYouTube動画が注目を集めても、ターゲットとする求職者の心に響かなければ意味がありません。重要なのは、狙ったターゲット層に「この事業所で働きたい」と思わせる情報を届けることです。
採用PR・広報活動の効果的な進め方
1. 単発で終わらせない、段階的な情報発信
採用PRでは、「ホームページに求人情報を載せた」「SNSで投稿した」だけで終わりにしてはいけません。求職者は少しずつ情報に触れながら関心を深め、働く意欲を持つようになるため、段階的に情報を発信することが重要です。
例:段階的な情報発信の流れ
- ホームページ:事業所の理念や働き方を紹介
- SNS:日常の様子やイベント風景を投稿し、職場の雰囲気を伝える
- 面接や見学会:実際の職場体験を促し、事業所のリアルな魅力を伝える
- フォローアップ:見学や面接後に資料を手渡し、さらなる理解を促す
このように、さまざまなタッチポイントを活用し、求職者に対する理解を徐々に深めていくプロセスが重要です。
2. 自社の強み・特徴をPRに活かす
求職者の興味を引くには、自社の強みや特徴を明確に伝える必要があります。
- 職場の雰囲気や働きやすさ:アットホームな環境、残業が少ない
- 研修制度やキャリアパス:未経験者でも安心の研修、資格取得支援
- 地域への貢献や取り組み:地域密着型サービスの提供
求職者が「ここで働きたい」と思うポイントを整理し、そこに焦点を当てた情報発信を行いましょう。
3. ターゲットを見据えたPR活動
効果的なPRを行うには、まずどのような人材を採用したいかを明確にすることが重要です。そのうえで、ターゲットとなる求職者が「知りたいこと」「興味を持つこと」に合わせた情報を発信しましょう。
例:求職者が知りたい情報の例
- 未経験者向け:介護業界未経験でも安心して働ける受入体制、実際に未経験で始めた人の声
- 家庭との両立を望む人向け:柔軟なシフト、働き方、家庭と両立をしながら働く人の事例
- スキルアップ志向の人向け:キャリアパス制度、スキルアップの機会の解説
ターゲットの関心に沿ったPRを行うことで、求職者にとって魅力的で共感できるメッセージを伝えることができます。
採用コンセプトとの連動
採用PRの効果を最大化するためには、採用活動全体のコンセプトと一貫性を持たせ、流れをつくることが大切です。求職者は最初から「ここで働きたい」と思っているわけではなく、求人側が発する様々な情報に触れる中で興味関心を深め、「ここで働きたい」という気持ちを持つようになります。採用活動のコンセプトが明確であれば、発信する内容に統一感が生まれ、求職者にとってわかりやすいメッセージとなります。
- 採用ターゲット:どんな人材を採用したいか
- メッセージ:「私たちの事業所はこんな職場です」
- ゴール:「ここで長く働きたい」と思わせること
どのタイミングでどのようなPRを行うと効果的かといったPR戦略をコンセプトに基づいて練ることで、求職者の理解を深め、入職後のミスマッチを防ぐことができます。
まとめ
介護福祉業界の採用活動において、効果的なPR・広報は欠かせません。ただし、SNSの「いいね」やホームページの更新を目的にするのではなく、自社に共感し、働きたいと思う人材に響く情報を届けることが重要です。
そのためには、段階的な情報発信を心がけ、ターゲットのニーズに合わせた内容を提供しましょう。また、自社の強みを活かし、一貫したメッセージを伝えることで、求職者の関心を高めることができます。
今後の採用活動では、単発の発信で終わらず、さまざまなチャネルを駆使した情報発信を行い、求職者との接点を増やす戦略的なPR活動を目指しましょう。
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