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介護・福祉人材不足の解決に挑む株式会社Blanketは、11周年を迎えました

2024/04/22

皆さまのおかげで、Blanketは4/22に11周年を迎えることができました。

私たちは「介護から、人と組織が抱える葛藤を可能性に変える」をミッションに掲げ、介護・福祉人材の不足という社会課題を解決するため、介護・福祉事業者に特化した採用・育成支援や介護の仕事の普及・啓発事業を行ってきました。創業当時は片手で数えられるほどの取引先も、11年を振り返ってみると、130社、20自治体と共に歩みを進めることができました。

※支援法人数は、直接弊社のサービスを提供させていただいた法人数です。自治体案件経由で研修を実施した法人や無料セミナー等で関わらせていただいた法人は、ここでのカウントに含んでいません。
※連携自治体数は、弊社が介護人材確保・育成等の事業を担当させていただいた自治体の数です。単発の講演などはカウントに含んでいません。

介護・福祉の人材不足の解決に向けて私たちが取り組むこと

設立記念日の節目に、Blanketがどのような事業を行なっているのか、一部をご紹介させてください。弊社は、「介護・福祉の人材不足」という大きな課題に挑んでいます。厚生労働省は、2040年に今のままでは69万人の人材が不足するという試算をしていますが、現状既に、令和4年度の介護労働実態調査では66.3%の事業所が人材が不足している状況にあると回答しています。

同調査によると、介護従事者の労働条件・仕事に関する悩みや不満で最も高いのは、「人手が足りない」ということから、介護領域における最大の課題は「人手不足」であると考えています。

生産人口の減少による人手不足により、年々激化する採用市場の中で勝つためには、高い採用の専門性が求められます。しかしながら、介護・福祉分野は小規模の事業所も多く、採用の専任を配置ができていないことも多く、採用競争力が低いことが課題として挙げられます。

また、離職率は全産業平均と同数まで改善されてきていますが、入職後3年未満の離職率は6割を超え早期離職が課題です。

そんな状況に対し、弊社では介護・福祉領域の”人事部”のような存在として寄与できればと、「KAIGO HR」という介護・福祉事業者の採用・育成・定着に特化したサービスを提供しています。

また、そもそも介護・福祉の仕事をやりたいと思う人が少ない状況に対して、自治体と連携し、あらゆる世代に介護・福祉の仕事に関心を持ってもらえるためのきっかけづくりを行っています。

介護・福祉事業者への直接支援と、自治体との連携による支援

介護・福祉事業者の採用・定着力を高めるために、大きく2つの事業を行なっています。

1つ目は、お客様の採用・育成・組織作りにおける課題やニーズに合わせて直接支援させていただくことです。昨年度は、全国49社の皆さまを支援させていただき、これまでの累計は130社となりました。

私たちの採用支援は、お客様の課題やニーズ、採用体制等に合わせて採用戦略や計画を策定したり、求人情報の出し方、介護・福祉業界を志望する求職者への魅力的な届け方など、介護・福祉の仕事の理解や採用支援実績のあるメンバーが伴走します。実際に、採用支援に入らせていただいた法人では、開所前に目標人数を達成したり、新卒の採用実績が前年の2倍になるなどの結果が出ています。

採用コンサルティング事例 
株式会社ゆず様:オープニングスタッフ23名の採用成功
https://blan-ket.com/projects/hr-consulting/yuzu/

また、WEBサイトをはじめとした採用ツール制作や、ブランディングの相談もお寄せいただくようになりました。

ツール制作事例
社会福祉法人小鳩会様:築50年の施設リニューアルオープンに向けてホームページを開設
https://blan-ket.com/projects/creative-production/kobatokai/

人材の定着や活躍のためさまざまな研修や、人事制度設計などもご一緒しました。

研修事例
社会福祉法人福祉楽団様:管理者向けマネジメント・コミュニケーション研修
https://blan-ket.com/projects/lecture-workshop/fukushigakudan/

もう1つは、自治体と連携し、その地域の介護・福祉事業者に無料で採用力を向上するプログラムや、リーダーや新任等の階層別の育成プログラムを提供しています。

昨年度は、宮崎県・仙台市・台東区・江戸川区の73法人に向けて、効果的な採用PRの方法や、職員の定着・離職防止につながるポイントが学べる採用担当者向けの研修を担当させていただきました。

また、早期離職の防止を目的とした新任介護職向けの交流研修では、静岡県・大分県・宮崎県の165法人、263名の新任介護職の皆さまに参加いただきました。

介護・福祉の仕事に興味・関心を持ってもらうために

深刻な人材不足の状況に対して、各企業の努力も重要ですが、そもそも「介護・福祉の仕事をやりたい」人を増やしていく必要があります。とはいえ、1社の努力では限界があり、自治体をはじめとする業界全体で介護・福祉の仕事にいかに興味を持ってもらえるか取り組んでいく必要があると考えています。

これまで、自治体や業界団体などと連携させていただき、子どもからアクティブシニアまで、さまざまな世代に向けて介護・福祉の仕事を訴求し、興味を持ってもらうきっかけづくりにも力を入れてきました。昨年度は東京都・福島県・静岡県・大分県・東広島市・北九州市の自治体と連携し、小学生313名、中・高校生881名、求職者102名とのタッチポイントを作りました。

◆小学生に向けて
2022年より、ナゾとき要素を盛り込み楽しく介護の仕事を学ぶ「ナゾときカイゴ探偵団」を展開。昨年は、福島県・静岡県・東広島市で実施し、計313名の小学生に参加いただきました。

ナゾときカイゴ探偵団の詳細はこちら
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000025.000029141.html

◆中・高校生に向けて
福島県においては県内の高校10校・281名を対象に、介護系インフルエンサーや現役学生起業家といった介護分野で先進的な取り組みを行なうサポーター講師と、地元の若手介護職員を派遣し、経験に基づく介護に関する仕事の内容や魅力等を発信する授業の企画を実施しました。

北九州市では、進学・就職を意識し始める中・高校生が介護と接点を持ち、将来の進路を決める際に介護業界が候補の1つとなるように、就職イベントに介護ブースを出展。介護スタッフとの交流の場や、介護の最新テクノロジーに触れてもらう体験を通じて、600名の学生と出会うことができました。

◆求職者に向けて
東京都・大分県にて、就職活動を行なう若年層に向けたPRイベントの企画・運営を実施。東京都では、「ハロー、私らしい福祉の仕事。」と題し、ハローキティを活用した同世代の若手職員が魅力を伝えるPR動画を作成。SNSでの配信や渋谷のスクランブル交差点での放映などを通じて、約400万回視聴されました。

また、都内の転職イベントに福祉の仕事のPRブースを設置し、求職者102名に福祉の仕事の魅力を直接お伝えしました。イベント全体の平均着席数を2.6倍上回る結果となりました。

現場の声を届けるために

介護・福祉人材不足の課題解決のためには、決められた事業を推進していくだけでなく、自治体がどのような事業に取り組むべきか、その事業を作っていくところから考えていく必要があると考えています。介護・福祉事業者の支援を通じてリアルな現場の課題を知る立場ならではの視点を活かし、厚生労働省の事業の委員を代表の秋本可愛が務めさせていただいたり、自治体担当者との意見交換の機会を大切にしてきました。

代表取締役 秋本可愛
厚生労働省「介護のしごと魅力発信等事業(事業間連携等事業)」企画委員
厚生労働省「介護のしごと魅力発信事業(情報発信事業)」企画委員

深刻な人材不足にどう立ち向かうのか?

介護業界において1つの大きな節目として言われてきた「2025年問題」が、ついに未来のことではなく、リアルタイムで起きている課題として向き合わなければなりません。そして2040年に向けてさらに介護のニーズが高まり、誰にとっても介護が身近なこととしてある社会の中で、私たちが向き合っていかなければいけないのは、「介護・福祉人材不足」という課題だけでは決してありません。

Blanketのビジョンである「全ての人が希望を語れる社会」を実現するためには、介護従事者のみならず、家庭での介護の大きな担い手である家族介護者が抱える課題にも向き合っていかねばならないと考えています。

一昨年度から経済産業省とともに、介護を「個人の課題」から「みんなの話題」へ転換することを目指すプロジェクト「OPEN CARE PROJECT」の発足に携わるなど「介護の人材確保」という課題を超えて、社会として「介護」にどう向き合うか、挑戦し始めたところです。

11年間積み重ねてきた、さまざまなネットワークを活かし、ビジョンの実現に向けて私たちは何をするべきか、と常に問いながら、今年も新たな挑戦をしていきたいと思います。
これからもBlanketを、どうぞよろしくお願いします。


◆お知らせ
組織の変化に抱いた「葛藤」は可能性に変わるのか。Blanket新バリュー公開

「組織として、このままでは良くない」そんな代表秋本の葛藤から、全メンバーでの対話を重ね、新たに私たちのあり方を示す言葉であるバリューを策定しました。

新バリュー策定に至るまでのエピソードを公開しています。ぜひこちらもご覧ください。